高橋名人のニュース記事を読んで、以前から考えていることをまとめてみました。(あくまで記事群を考察した内容となります。)
最近もメディアにでていたので、馴染みのある人が多いかと思います。ハドソンというゲーム制作会社に在籍し、名人となってからはメディアでも有名になったかたです。
制作、メディア両面を経験した高橋名人が「ゲームは1時間ぐらいにして、他のことにも取り組んでほしいという気持ちは当時から変わらないですね。体力もつけてほしいし、運動神経を鍛えるためにサッカーとか野球もしてほしい。」(高橋名人のニュース記事抜粋)とおっしゃっていました。
つまりはゲームだけの人間になってほしくないと語っておられました。野球、サッカーと書いてしまうと古く単純な考えに思えますが、世の中にはゲーム以外にも好奇心をくすぐることに溢れいています。
ゲームだけでなく関心の高いスマホの教育への影響についてネット上で調べてみました。
ゲームやスマホは駄目なのか
スマホはなかったのでわからないのですが、わたし自身もゲームが好きで鍵っ子だったのもあり、小学生のころは何時間もやりました。ゲームセンターにも通いましたし、中学のときには徹夜でゲームをしたこともあります。
ゲームやスマホを完全に否定するわけではありませんが、大人になって、さらにはプログラマという仕事が生業となった自分自身の将来に、どれぐらい役立ったかというと、正直大きくはないかなと感じています。京大にいった兄はほぼやっていませんでした。
こどもたちのゲームやスマホの使用について、巷ではどう考えられているか記事をピックアップしてみました。
良く言われてること
様々な研究結果が示されているのでご存知の方も多いかと思います。
- ストレス解消
- 空間認知力の向上
- 瞬間的な反応速度の向上
- 問題解決力の向上
- 創造力が高まる
様々な能力向上に役立つことが示されています。(参考:ゲームが子どもに与える良い影響と悪い影響)
短時間のゲームは良いと主張している教授の記事もあります。(参考:ゲームで学力は低下する? 大規模調査で「1日1時間以内ならむしろ好成績)
ゲームの直接的効果は不明ですが、1時間程度ゲームするひとに高学歴の人の割合が増える傾向がみられます。1時間程度でやめられる、自己管理ができているのではと結論づけています。
スマホについては、SNSでコミュ力がつく、便利になるという観点は多くありますが本質的なメリットはみつけられませんでした。
悪く言われていること
こちらも様々な記事で言われてるのですが多いのは以下となります。
- 集中力が落ちる
- 学業不振
- 依存症になる
- 問題行動につながる
ゲームそのものが悪いという指摘は少ないです。
1時間未満は良いが、ゲームを1時間以上やっている人の偏差値・成績が時間に比例して下がる傾向がもっぱら有名です。ゲームは1時間までという数字はここからくるのでしょう。(参考:ゲームが子どもに与える良い影響と悪い影響)
スマホについてはスマホ脳になるなど脳疲労もよくいわれますが、長時間使う子供のMRIを3年追跡したところ、認知機能に重要な役割を果たす大脳皮質と大脳白質の体積増加がほぼ0だったという衝撃記事もあります。(参考:スマホを長時間使う子どもは脳の発達が阻害される…220人のMRIで見えた「不都合な真実)。
小さな画面で多くのアプリを頻繁に切り替え、一つの物事に集中しにくいスマホの特性が関係しているのではないかと考えてるようです。辞典でなくスマホで言葉を検索する実験も行われており、スマホの場合、前頭前野がまったく働かないのだそうです。
幼少期は注意が必要という記事もあります。スマホ使用が良い効果を生むこともありますが、0~5歳児は「毎日2時間以上」の使用は逆効果だそうです。(参考: 手元にあると6分に1回見てしまう…わが子が「スマホを見たくなる誘惑」に勝つための3つの効果的な方法)
どう考えるべきか
結局のところメリット・デメリットがあり、年齢によって対応が必要そうです。研究結果にも様々な意見があるのが現状で、多様な条件で調べたわけではなく統計のひとつでしかなさそうです。どんなゲームをしていたかも記述がありません。自分の子供が統計上のどこに位置するか結局のところよくわからないのではないでしょうか。
比較的小学生のころゲームにハマっていた自身の話でいうと、子供ながらにデメリットに気づいたのか、高校に入ってからは自主的にゲームをやらなくなりました。大学時代もサッカーゲームプログラマーを目指していましたが、ゲーム沼にハマった状態ではありませんでした。また教室に通う子や20年前の勉強ができた友達と過去の話をしたりすると、やりたいことをみつけて自発的に勉強していたひとたちは、大きくなるにつれゲームを卒業していたようです。ただファミコン全盛期ですし、ほとんどの子供が最初はゲームはやっていたように記憶しています。そうするとポイントは自己管理ができるか否かではないかと思えます。
もうひとつ昨今のゲームには注意が必要だと思うことがあります。
今流行るコンテンツには過度な依存性をもつものが多いのではということ。それに大人が気をつなければいけないのではと思うのです。これはSNS、Youtubeにもあてはまると思います。
広告やゲーム関連の仕事をしていたときマーケティングとして考えていたのは、いかにゲームやアプリにもどってくる仕掛けをつくれるかということ。ユーザー数、リテンション(ゲームにもどる率)が売上に直結するからです。これはゲームやアプリ本来の面白さとは異なるものです。(参考: リテンションレート・継続率とは)
ビジネスであり悪気があってそうしてるわけではないですが、依存症の危険性は常に考慮すべきかと思うのです。
結局どうすればよいか
ゲームやスマホ使用の善悪や、学業との因果関係が明確にわからなくとも、こども自身の成長につながることに時間を費やすべきということは正しいと考えるべきです。親御さんが子供がゲームやスマホにふれていない早期にどうずべきか考えておくことが大切です。
長時間のゲームやスマホ使用が悪い影響を与える可能性があることは、上記記事群の指摘からも確かな気がします。ゲームをやらせるのであれば、自分の子供が時間を本来やるべきことに自ら切り替え費やすことができるように育っているか見極められるかがポイントだと考えます。
ゲームやスマホ時間とそれ以外の時間切り替えが難しそうなタイプであれば、褒めてのばす、放任主義などの教育手法はあきらめ、きっぱりと親が管理してあげたほうがよいと考えます。ある程度大きくなるまでゲームやスマホを与えないのもありだと思います。(ゲームは抜きにして、ただ褒めてのばすだけの教育は注意が必要です。参考: 失敗を恐れるのは「褒められた子」。脳科学者が語る)
提供側の代表とも言えるビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズもこどもには制限していることは有名です。(参考:ジョブズとゲイツが我が子のテクノロジー使用を厳しく制限した理由)
全容がわからない現時点では子育てに便利、楽だからと小さい頃からスマホをわたしっぱなしにするのは避けたほうがよいかもしれません。ゲームをする時間も決めたほうがよいかもしれません。短期的には楽になりますが、長期的に考えると逆に大変な対応に追われてしまうことになりかねません。
また自己管理ができそうでも、使用は1時間程度までという制限だけあってもよいかもしれません。
ゲームやスマホの使用が決して悪いものではないというのは前提にありますが、ぜひ今一度お子さんが自己管理が出来そうなタイプか確認したうえで、ゲームやスマホの危険性について一緒に考え、使用時間や利用方法を見直してみたはいかがでしょうか。
こういった事案こそ、モンテッソーリ教育のように情報をきっちりと提供共有し、こども自ら考えていってもらうのがよいかもしれません。結局のところ、親も楽をせず子供と向き合い対話していく努力が大切なのかもしれません。
今回のポイント
- ゲームよりスマホ使用のが影響が大きそう
- ゲームおよびスマホをやる前に子供が自己管理ができるタイプか見極める
- 自己管理ができるならゲームおよびスマホは1時間未満のルールがおすすめ
- 自己管理できないタイプであれば一旦制限してしまうことを考える
- 制限ルールを決めるときは子供となぜ制限するか一緒に理由について共有する